感触遊び~砂遊びと育脳~
保育園では砂場遊びは定番となっておりますが、今は昔のように近くの公園の砂場で子どもたちが遊んでいる光景があまり見られなくなってきたように思います。
遊ばなくなった理由は幾つか考えられますが、保育園の砂場は定期的に消毒をし衛生面にも気を付けていますが、公園の砂場の衛生面の心配や砂遊びは手や服が汚れてしまうからあまりさせたくないなどの理由があるかと思います。
そこで今回は、砂遊びが子どもたちにとってどの様な良い効果があるのかについて、色々とお話をしていきたいと思います。
砂遊びで五感を刺激しよう
皆さんは『砂の感触をことばで表現してみてください』と言われた時にどの様に答えますでしょうか。
『さらさら』『どろどろ』などさまざまな感触が想像できるかなと思います。
乾いた砂はサラッとしていますが、そこに少しずつ水を加えていくと、さらさら→もさもさ→どろどろ
といった具合に変化をしていきます。
子どもたちのなかには、どろどろとした感触が苦手な子もいるかもしれませんが、そんな時には側で砂の状態が変化していく様子を実際に見せたり(視覚)初めに保育者が触ってみせたり(触覚)しながら段階を踏んでいくことで、『さわってみようかな』という気持ちがもてるようにしていくと良いでしょう。
一緒に遊ぶ中で、五感を刺激するような言葉がけや体験をいっぱいしていきましょう。
砂遊びの効果~手先が器用になる~
砂遊びをする際には手の平や指先を使ったり道具を使ったりして遊びますが、意識していないのに自然と手先
が鍛えられています。例えば砂場にスコップとバケツがあるとします、この遊びの中には手や指先を鍛える
動作が4つ隠れているのですが、皆さんはお分かりでしょうか。
それでは、子どもたちが砂場で遊んでいる姿を目に浮かべながら考えていきましょう。
★1つ目・・砂を手の平を使って集める
★2つ目・・スコップを手で握る
★3つ目・・集めた砂をスコップですくう
★4つ目・・すくった砂をバケツの中に繰り返し入れる
この4つの動作は、全て『手』を使いますよね。年齢によって同じ動作でも動きが小さい・大きいがあります
が、砂遊びを通して手先が鍛えられ脳にも良い刺激を与え自然と器用さも培われていくと言われています。
砂遊びの効果~創造力・集中力・社会性が身につく~
保育園では子どもたちと一緒になって砂場で大きな山を作りそこに穴を開けてトンネルを作ったり、最近では
自分たちで拾ってきた木の実を使ってドングリケーキを作ったりして遊んでいます。
山を作ることは簡単に見えて意外と難しく、単に砂を上に積んでいけば良いわけではありません。
崩れてしまわないように周りを叩いて固めていかないといけなかったり、どのように砂を積んでいけば
大きな山ができるかなど考えたりすることで【創造力】が高まります。
また、保育者や友だちと一緒に遊ぶ楽しさを感じながら『今日も大きな山を作るぞ』『ドングリケーキを作って遊ぼう』など繰り返し遊ぶことで【集中力】が少しずつついてきます。
集団遊びの中で大切な社会性については、砂場のおもちゃも一人につき一個ずつあればトラブルは起きませんが、保育園ではそうはいきませんよね。
『もっと使いたい!』『貸してあげるのは嫌だ』などの思いがある中で、少しずつ相手の気持ちに気付いていけるように保育者が仲立ちをしたり気持ちを代弁したりしています。さまざまな遊びの中でのトラブルを経験し学んでいくことで【順番に使うこと】や【物の貸し借り】などができるようになり、ルールを守って遊ぶ事を知ることで社会性が身についていきます。